学童保育

◇学童スタートのエピソード

東京賢治シュタイナー学校には学童があります。学童とは学校が終わったあと、学童の先生のもとで友達と過ごせるとても豊かな時間です。

そこでは宿題をやったり、友だちと野外や室内で思いきり遊んだり、みんなでおやつを食べたり、学童の先生に見守られながら、子どもたちは有意義な時間を過ごしていきます。しかも1年生から、5、6年生までの子どもたちが一緒に、まるで兄妹のように関わり、大家族のようです。

夏休みには夏祭りが開かれ、学級での活動とはまた違った、縦割りでのダイナミックな活動が繰り広げられます。学童は子どもの中に潜むクリエイティブな想像力と大切な社会性が養われる学校の中の大切な場所であり、放課後の子どもの楽園です。

学童は、この学校が開校してすぐの97年に、初期の親御さんたちの想いからスタートしました。

当時の親たちは、学校を支えるためにたくさんの仕事を抱えていたので、子どもが13時や14時に学校を終えても、まだまだやることがありました。そこで、自分の子どもたちのために、子どもたちが集まって午後を過ごすことができ、自分たちで決めた遊びをし、密なやりとりをしながら自立した友だち関係をつくっていく、その練習の場としての役割を学童に求め、動き出したのです。

昔の子どもたちは、家に帰ればおじいさんやおばあさん、兄妹が何人もいて、という大家族がほとんどでした。現代の子は核家族が多いので、その醍醐味を経験することは難しくなっています。また昔だったら近所にいろいろな年の子どもたちがいて一緒に遊ぶ、密な関係がありましたが、残念ながら今は失われています。そこで学童を通して、たくさんの子どもたちと遊び、ケンカをしてまた仲直りをしてという、濃い人間関係を子どもたちに過ごさせたいと思ったのです。特に一人っ子のお子さんは、家で一人きりで過ごすのではなく、学童を通して大家族の経験をし、社会性を身につけることが大切です。

この学校ならではの学童のよさもあります。児童館ではただ遊ぶだけですが、ここでは、学校の教育とつながった教育的な側面があります。学童の先生も教師と密に連絡を取っているため、学童で何が起こったかをみんなが知っていて、次の日にすぐ教師が対応できるようになっています。

母親が家にいる家庭でも、私たちは学童をすすめています。それは、必ずいい教育結果が表れてくるからです。この学校は家が遠い子も多いので、家に帰って何かするよりも、兄妹関係を味わいながら、この場所で丸ごと育って大きくなってほしいということです。

◇学童の内容

□放課後の流れ

午後2時、授業が終わった学年の子どもから学童にやってきます。教師と握手し、挨拶をして学童が始まります。子どもたちがまず取り組むのは宿題です。それぞれが自分の課題に真剣に取り組んでいます。

宿題が済むと、自由遊びの時間です。学童の大きな魅力のひとつでもありますが、学年の垣根を越えて、1年生から6年生までが一緒に遊んでいます。遊びの内容は各学年のカリキュラムを考慮して、担任教師とも相談しながら、多学年で遊べるように工夫しています。

3時になると、子どもたちが楽しみにしているおやつの時間です。曜日によって、果物の日、自分でおにぎりを握って食べる日、「学童おやつ係」の親のみなさんがつくってくださったおやつをいただく日、などがあります。当番の子どもが準備や後片付けを持ち回りでしています。おやつの後はもうひと遊び。最後に掃除、帰りの会をして、5時にさよならをします。

□学童の1週間の活動

月曜 自由遊びの日
火曜 おやつ作りの日(おにぎりを握る)
水曜 全員で一緒に遊ぶ日(鬼ごっこ)
木曜 素話の日
金曜 形の日(紙粘土でつくる)

□延長学童

仕事の都合で17時のお迎えが難しい家庭のために、1時間延長して18時まで学童を用意しています。※延長料金が必要です

□長期休み学童

夏、冬、春の長期休みには、朝から夕方まで、1日を通しての学童があります。

1日のおおまかな流れ

9:00~朝の会・宿題の時間
10:00~午後のおやつ・遊びの時間
12:00~お弁当・静かに過ごす時間
13:00~遊びの時間
15:00~午後のおやつ・遊びの時間
16:45~掃除・帰りの会
17:00 終了
多くの親御さんのサポートを頂きながら、遊びの時間を使って特別プログラムを組むこともあります。

特別プログラムの一例

・昼食作り ・もの作り(染物・キャンドルなど) ・多摩川探検

以上のように盛りだくさんの内容で、子どもたちに少しでも楽しい思い出ができるように、親と教師が協力して取り組んでいます。

□季節のイベント

主に長期学童中に、さまざまな季節のイベントを行っています。

春 ・イースター(春のお祭り)/イースターエッグ作りや宝探しゲーム
夏 ・やぐら作り/夏休み学童の遊び場になるやぐらを皆で作ります
  ・多摩川探検/川の専門家をお招きして、ライフジャケットを着用して、川の流れの体験、魚取りなどの川遊びをします。
  ・流しそうめん/親たちが作った竹のそうめん流し台で、流しそうめんをいただきます。何が流れてくるかはお楽しみに!
  ・夏祭り/子どもたちは縦割のグループに分かれ、それぞれが工夫して模擬店を出します。数日掛かりでゲームや景品を考え、自作し、準備します。当日、子どもたちは交代でお店を巡り、教師や親、兄妹もお客さんになります。
冬 ・キャンドル作り/クリスマスの厳かな雰囲気の中、蜜蝋キャンドルを作ります。

◇時間と費用

□通常学童

時間:授業終了時から17時まで
料金:定額制…9000円/1か月
  :日額制… 800円/1日

□延長学童

時間:17:10~18:00
料金:定額制…6000円/1か月
日額制…250円/30分、500円/1時間

□長期学童(夏・冬・春休み)

時間:08:30~17:00(月~金)
料金:定額制…9000円/1か月(通常学童に準ずる)
  :日額制…1000円/1日
   ※その他、プログラムにかかる実費(500円)
※特別プログラムのキャンセル料は前日までは半額、当日は全額

□特別学童

学校運営のための全体会議(NPO会議、親の全体会議など)やクラス会にともなう、特別な学童体制です。

時間:会議開始時間の10分前から終了時間まで
料金:無料

※内容は年度ごとに変わる場合があります。

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