収穫祭

たんぽぽこどもの園では、季節ごとに楽しいお祭りがあります。

秋になり子ども達が楽しみに待っているのが*「収穫祭」です。

それぞれの家庭から秋の恵みを持ち寄り、祭壇に飾って行きます。

そして収穫祭当日、園児たちが力を合わせて持ち寄った野菜で料理をします。

今年は何を持って行こうかな?「そうだ、お庭にある蜜柑がいいよ。葉っぱもつけて持って行ったらかわいいね。」

年長の娘は、お庭の木から自分で収穫した、蜜柑と柚子を嬉しそうに誇らしそうに持って行きました。

野菜や果物を飾る祭壇のために、幼稚園への行き帰りの道で落ち葉やどんぐりを探しました。

「いろんな形の葉っぱがあるね。これは特別に大きいね。飾ったら綺麗だね」

子供とのやり取りは、親子で収穫祭への気持ちを分かち合える楽しい時間となりました。

大根、人参、かぶ、幼稚園のお庭で採れたむかご、保護者の方のご実家から届いた今年の新米。

それらを使い、園児たちが力を合わせてお味噌汁を作りお米を炊きます。

子どもたちには、それぞれの年齢にごとにお仕事があるのです。

年少さんは、その小さな手で、薩摩芋を包みます。ひとつひとつ丁寧に。美味しいおいしい焼き芋になれと。

年少だった頃の娘も、お芋のお仕事を任されたその喜びの気持ちを、たくさん伝えてくれたのを覚えています。

年中さんは、野菜を洗って切ります。切った野菜を大きな入れ物に入れて年長さんに届けます。

みんなの憧れの年長さんは、外で火の番をして、お味噌汁を作り、お米を炊くのです。

手ぬぐいを頭に巻き、少し恥ずかしそうに、そして誇らしそうに大きくなった喜びを全身に感じ、力を合わせて仕事をしました。

火の番は煙が立つ時もあり、「目に染みるから嫌だよ」と言っていた娘。

「そうね、大変な仕事よね。だから年長さんしかできないお仕事なのね」と先生がおっしゃっていました。

お湯の煮えた熱いお鍋に野菜を入れて、火が消えないように薪をくべて扇いで、重たいお鍋を持って。

大きくなった年長さんだからこそできるお仕事。子供の成長を心から嬉しく思います。

一生懸命に自分たちの力で作った、鍋いっぱいのお味噌汁とご飯。

お味噌も、園児たちが今年仕込んだお味噌なのです。「しょっぱいね」「ちょっと甘いね」皆でその味をみます。

赤や黄色の葉っぱを飾りつけた祭壇のを囲み、園児皆で秋の恵みに感謝して特別な食事をいただきました。

そして、お迎えにきた保護者にも焼き芋のおすそ分けがありました。

「年少さんが包んで、年長さんが焼いたんだよ、焦げてるのもあるし、甘いのもあるよ」と教えてくれた娘。

全身で、自身の成長と秋の恵みを感じたことと思います。

(年長保護者 K)

*収穫祭

私たちが生きていくために必要な野菜や果実、穀物らの多くが、秋の季節に実ります。 しかし、これらの実りは地(土)、水(雨)、火(太陽)、風といった、自然の働きによってなされたもの。私たち人間はその見えない働きにより生きることができる感謝を、子どもたちと歌やライゲン、そして当日の祝祭を通して体験していきます。

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