2024年度アドベントガーデン
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12月21日の夕方、お父さんお母さんに手を引かれた子どもたちが、たんぽぽこどもの園の園舎に次々集まってきました。少しずつ暗くなり始めた薄曇りの寒空の下、いつもの賑やかな様子と違う、少しよそゆきで神妙な顔つきの子どもたち。ちょっと大きな声を出したりふざけたりしたら、きっと消えてしまうような静かな何かを、小さな心に感じているかのようでした。
保護者が先に中に入り、蝋燭台を中心に針葉樹の葉が渦巻きに置かれた設えを囲んで着席し、子どもたちを待ちます。
そしてまもなく、一列になった子どもたちが緊張した様子で入室し、自分の椅子に座りました。
まずは保護者による輪唱。「平和の鐘」を、お父さんが低音パートを担当、お母さんがメロディを二つのパートに分かれて歌いました。
底部に流れる低い響きと、重なる旋律が広がって、まるで空間の中に目に見えない温かな覆いができていくようでした。
先生方によるクリスマスのオイリュトミーの後、いよいよ子どもたちの番になりました。静かなライヤーの音色の中で、1人ずつ先生にそっと名前を呼ばれ、りんご蝋燭を手渡されます。
小さな両手に大事そうにりんごを抱え、仄暗い中、渦巻きを進む足取りは、その子その子の個性そのもの。
目標に向かって自信ありげに進んでいく子、
ためらいながら不安げに歩を進める子、
自分のペースでゆっくり歩んでいく子…
しかし、真ん中の灯火にたどり着き、手もとの蝋燭に火を移した瞬間、そこにパッと照らし出された表情は、どの子も同じく驚きと喜びに輝いていました。
全員の蝋燭に火が灯ると、部屋の中に暖かなオレンジ色の光の道ができました。
その灯りの中で、子どもたちはすっかり安心して、周りの空気の中にひとつになって包まれているかのようでした。
一人一人の小さい心の勇敢な道のりと、その場のみんながいるからこそできた光の軌跡。
今年度入園したてのわが家にとって、初めてのアドベントガーデンは、冬至の日の夕暮れに、たくさんの家族で聖なる静かなひとときを共有できた幸せな時間でした。
(年少保護者 Y.I)
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