新参の新鮮な灯篭と風景

「新鮮な風景よね」、そして「新しい時代よね」と先生の言葉は弾んでいた。

スパッと斜めに切られたいくつもの青竹、正面には丸くくりぬいた穴を組み合わせてつくられたタンポポ模様。

この竹灯篭たちは今年のオープン園に向けて、初めて制作に取り組んでいるものだ。年少に入園したばかりの園児の父親自らの発案で始まった。


先生方が「新鮮」「新しい」と言ったのは、ニューアイテムのお目見えや青竹の真新しさについてではない。月曜日の朝に父親たちが自主的に集い、竹をのこぎりで切り、穴を開けて、その穴を磨き、油でつや出しをしている光景が、これまでにないものだったからだ。


3回目の集まりになった7月5日の月曜日にはそこに母親も加わって男女混合チームになった。先生からは「ほんと新鮮」と、これで3度目の「新鮮印」をいただいた。

コロナ禍でリモートワークが多くなった父親が増えたことも、新鮮な風景が生まれた一因だろう。働き方の変化とともに、関わり方の意識も動いていく。きっとこれがたんぽぽこどもの園のいつもの光景になっていくのではないだろうか。

できるときに、できる人が、自然と集まりながら一緒に手と体を動かす当たり前の喜び。母親も父親も区別なく、先生と子どもとともに園をつくっていく。新参の父親による新鮮な竹灯篭に火が灯る9月のオープン園のころには、どんな新しい景色が見えるだろうか。

(年中・年長 保護者)

*このブログは、7月中に書かれたものです