私の「幼児のお母さん時代」 ~わたげ日記~

*このブログは、在園家族の日常にスポットライトを当てたシリーズです。たんぽぽこどもの園の仲間たちの生活を、少しのぞいてみましょう

*このブログは、在園家族の日常にスポットライトを当てたシリーズです。たんぽぽこどもの園の仲間たちの生活を、少しのぞいてみましょう。

「幼児のお母さん時代」、子どもが2人の私の場合、それは5年間ありました。

前半は2歳差育児が苦しくて、子どもと離れることばかり考えていたのですが、次男が年長さんになった最後の年、毎朝向かうたんぽぽこどもの園までの道のりを、とことん楽しもうと決めたのです。

せわしなく家を出ても、季節の移ろいに触れると心が整います。車で送迎していた時には叶わなかった親子時間。その尊さは、日に日に、身に染みるようになりました。

たんぽぽの花を愛で、若葉の匂いをかぎ、鳥や虫と挨拶する。オオバコ相撲に明け暮れる。

橋の下にいる牛蛙を見たくて、ぬき足さし足で歩く。日差しの強い日は、木陰で涼む。

落ち葉をかき分けどんぐりを拾い、蓮の葉の上をすべる水玉の美しさに、目を見張る。

霜柱は踏みしめるのも楽しいが、そっと剥がして指でつまむと、その煌めきはまるで宝石のよう。池のすみを割り砕いて、凍った水面に投じれば、天然の打楽器が高らかに鳴りひびく。こんなにきれいなものやすごいこと、先生にも教えてあげたい。でもやっぱり、ママとだけのことにしておきたい。息子の気持ちが揺れ動くのを、見守る朝もありました。

咲いた梅が散りはじめ、氷がとけたら春の合図。鳥たちも動き出し、いよいよ卒園を待つばかり。

振り返ると、近くに引っ越して徒歩登園が始まった2年前、私は息子が立ち止まるたびに溜息をつき、手を引っ張りながら園に向かうお母さんでした。

ところが、私自身の課題に粛々と取り組みはじめると、しだいに足並み揃えて歩けるようになっていったのです。

どんなことも自分が気づけば変わり、子どもが鏡となって教えてくれます。

あなたのお母さんでいられること、今日も手をつないで歩けること。ただただそれが嬉しいよ、ありがとう。その想いがしみこんで息子の中に育っているものが感じられる時、眩しいような、誇らしいような気持ちになります。

たんぽぽ子どもの園の先生方に導かれながらの「幼児のお母さん時代」は、本当に恵まれていました。
これからもずっと、親子の育つ場所として、皆から愛される場所でありますように。

年長保護者F

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