出会えた喜び ~宝石袋づくりから~

過日、それぞれの心を映し出す楽しさに心躍らせながら、
紙染めをしました。

色とりどりに染まった紙と糸で、今度は、
子どもの手のひらほどの「宝石袋」をつくります。

すっかり乾いて彩りがなじんだ染め紙を囲み、
母たちはみんな、胸をときめかせました。

「きれいだねえ」
「これもいいね、ああ、こっちもいいな」
「切ってしまうのがもったいないくらいだね」
と口々に。

こんな声もありました。

「入園前に来たオープン園で、
初めてこの袋を見た時、感激したの、かわいい!って」

…オープン園で感動したこと。心に残ったこと。
きっとお互いに、その時には伝えきれません。

月日がたち、
「たんぽぽこどもの園の仲間」として共に手を動かす中で、
こうしてふとした瞬間にこぼれてきた一言は、
当時心をこめてお迎えした側にとって、
子どもたちが砂山から探しあてる宝石のように嬉しく、
心あたたまるものでした。

染め紙を折る人。
はさみを入れる人。
ちくちく縫う人。

母たちが手仕事に没頭できるのも、
園のお部屋ならでは、です。

「家だと色々なことが気になって、
後まわしにしてしまうよね」

「この場所と時間が、本当にありがたいね」

うんうんと頷き合いながら、
この日だけの顔ぶれで、
この日だけの豊かさを味わいました。

わが子だけでなく、
他のご家庭のお子さんのためにも、
日々、本当に丁寧な保育をしてくださっている
先生方のためにも…。
心を寄せて、手を動かす。

私たち親は、そこで感謝の心をはぐくみ、
つながり、癒されて、
また数時間後の子育てに戻っていきます。

(年中 保護者)

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