わたげ日記 通園編 : N家の場合

*このブログは、在園家族の日常にスポットライトを当てたシリーズです。たんぽぽこどもの園の仲間たちの生活を、少しのぞいてみましょう。

我が家は立川から電車で約35分ほどの郊外にあります。

夫は以前からその地域に居住したいと漠然と思っていて、私は子供を育てるなら、自然に育んで貰える土地に住むことは譲れない、と考えていました。

コロナの下でモヤモヤとした社会生活に背中を押されて、行動を始めたのが入園の半年前。色んな縁に導かれて、一軒家の畑付きの賃貸物件を見つけることができました。

同時に、幼稚園は、どうしてもたんぽぽこどもの園がいい、という直感が一貫して変えられず「それなら両方選べばいい。不可能な範囲じゃないよね!」という夫の一押しで、遠方から通うことを決めた次第です。

朝は5時起きでお弁当を作り、6時に娘を揺り起こします。この子はまた目覚めの良い子で幼稚園をいつも楽しみにしており、あまりぐずりませんので、ラッキーとも思いましたが、本当は娘自身がそこに住み、たんぽぽこどもの園に通うことを望んでいたのではないか?と感じたりしています。

朝はバタバタで、7時に家を出ます。

冬は凍えて辛いです。でも山間からの美しい朝日が私達を気持ちよく送り出してくれて清々しくなります。

お恥ずかしながら、自転車では危険運転の私は娘を未だバギーに乗せて駅までの坂道を駆け降りて駐輪場に置いてホームに向かいます。電車に乗るとホッと一息です。

幼稚園とお迎えまでの間は、私の仕事が立川近郊で、合間にできることもあって、割合に効率がいいのもメリットでした。

それでも仕事のない日は一度帰宅して家事をこなして、お迎えに戻ることもあります。帰ってから一度に洗濯、掃除、夕飯作りが待っているからです。

ちなみに私自身の時間を持てるのは、仕事前に30分の時間をとって、瞑想(?)を兼ねて身体を大きく動かす事で、心乱れる日も自分に自信を取り戻します。

電車が1時間に2本ということもあって、帰り道の娘の寄り道を何かと上手くコントロールしますが、それでも雪の降った日や特別に嬉しいことがあって中々歩みが進まない日は、それはそれで、彼女の楽しさに寄り添ってみて、予定の電車を諦めることもあります。

遠方に住むことで、一日はあっと言う間に終わり、せっかくの畑も今は手をつける余裕もなく、持ち腐れています。

ですが、それ以上に、駅を降りると私達を迎えてくれる自然の美しさや、土地の人達の優しさが、英気を与えてくれているように思えるのです。

通りゆく人にこんにちは、と自然に声が出てくる雰囲気はこの町にはまだ残っていて、それは、私達の中では、たんぽぽや賢治の学校の教えと繋がっているように思えるのです。

(年少保護者 N)

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