2020年1月11日 お餅つき

 

アドベントからクリスマスの時期まで、
刻々と日が落ちるのが早くなり、お迎え時には夕闇の中、
子供たちの温かな手をつないで帰ります。

そして年が明けてすぐの行事が、お餅つき。
年の暮れの暗闇と好対照な真っ白な湯気とお餅。
新しい年の始まりです。

前日からこの日の為に心を込めて準備してくださった先生方と、
朝一番で火の番をしてくれたお父さんたちのおかげで、
既にもち米はふかふかに蒸されて、子供たちが登園する頃には
園庭がお餅つきの楽しい予感で満たされました。

子供たちが臼を囲んで座ると、蒸されたもち米が臼の中に移されます。
杵を持ったお父さん二人が慣れた様子で米粒を潰し、
それを子供たちはみな食い入るように見入っていました。

そして最初の大きな一突き。そしてもう一突き。
二人のタイミングが数を重ねるごとに合ってくると、
子供たちからもリズムに合わせて声が上がります。
みるみるうちに、もち米はこどもたちの頬っぺたのようなお餅に。

さあ、今度は子供たちの番!

小さな杵を持ち、一人ずつ突いていきます。
杵の重さに足を取られそうになっても、ひと踏ん張り。

どっこいしょ、どっこいしょ。
初めて杵を持った子供たちも、工夫しながら餅をついています。

そしてきれいに手を洗ったら、子供たちもほかほかのお餅を丸めます。
この温かさと柔らかさ、きっと彼らの心に深く残ることでしょう。

お部屋ではお正月の遊びを親子で楽しみます。

お部屋の入口近くには今年も年長さん手作りの神社が出来ました。
どんぐりのお賽銭をいれ、鈴をならしお祈りを済ませましょう。

部屋の中ではコマ回しや、福笑いなど、昔からの遊びもたくさん。
いろいろな場所から歓声があがります。

笑い声の絶えないひと時が終わった頃には、お餅も全部つきあがり、
みんなが一番楽しみにしている時間がやってきました。

子供たちは醤油、きな粉、あんこのお餅を、
大人は醤油の代わりに辛味大根と柚子を混ぜたお餅を。
子供たちの一番人気は、なんとお醤油でした!

最後にはもち米にサツマイモを混ぜて作ったお餅が配られて、
きな粉をまぶして食べました。

お腹がいっぱいになると、最後のイベントが園庭で始まります。
小さなお鍋や、枝などを楽器に見立ててお囃子が始まる中、
子供たちによるお獅子が出てきます。

小さいお友達やお母さんたちの頭を威勢よくガブリ、ガブリ!
今年も元気で過ごせますように!

そしてひょっとこも出てきます。
プロも顔負けの軽快な動きに、その場が一気に盛り上がります。
それを見た小さいお友達も、すぐさま可愛いひょっとこになりました。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、
先生の一丁締めで新年初めての行事をしめくくります。

今年も平和のうちに健やかに過ごすことができますように。

皆の願いがその手にこもった、
気持ちの良い手締めの音が園庭に響きました。

そしてお土産のお餅と、去年子供たちが仕込んだお味噌を手に、
みな笑顔で園をあとにしました。

お餅が大好物の娘にとっては
幼稚園での最後のお餅つき。

温かなたくさんの眼差しに見守られながら、
硬いもち米が柔らかく美味しいお餅になる
この変容の様子を、我が子の成長にも重ね合わせ、
幸せいっぱい胸いっぱいになったそんな帰り道でした。

 

(年長保護者)