シュタイナー学校の生徒が実社会と繋がる「高等部の校外実習」
高等部になると毎年、長期間にわたる校外実習があります。その中で、10年生の職業実習はたったひとりで、11年生の社会福祉実習はひとりまたは数名で、職場や社会福祉施設の実習先で終日働きます。その期間は学校での授業はありません。実習に取り組む我が子の様子は親の目にどのように映ったのでしょうか。
今年の11年生(高校2年生)は2学期初日の9月2日から9月21日までの3週間の社会福祉実習となりました。今年はシュタイナー教育100周年で、夏休み中も高等部参加のイベントがあるなど今までにない過ごし方でしたので、夏休み明けてすぐに実習が始まる不安をそれぞれに抱えていたことと思います。
立川在住の我が娘はクラスメイトの男子生徒と2名で、自転車で通える就労継続支援B型事業所(以下、B型事業所)と生活介護事業所の2箇所で3週間実習させていただきました。
はじめの1週間は生活介護事業所。2週目はB型事業所。はじめのうちは、障がいのある方と向き合った経験がない娘が1日を共に過ごす、ただそれだけで緊張の連続だったようです。それでも何日も経たないうちに、重度の障がいのある方たちの純粋さや、のんびりでもいいんだよという職員の方の温かな眼差しに娘も支えられ、自分自身を見つめるきっかけにもなっているようでした。
2週目のB型事業所は、1週目と打って変わって軽度の障がいのある方が多い分、早いテンポでそれぞれの主張があることに上手く対応出来ず、かなり凹んで帰って来ることが多かったです。
3週目は別々。というのははじめから決まっていたのだけれど、さてどちらに行くか。2人とも「どちらも続けていきたかったので、どちらでも」と考え、悩んで話し合った結果くじ引きになり、娘→生活介護事業所、男子生徒→B型事業所へ行くことになりました。娘は生活介護事業所が自分のペースに合っているのを感じていたようで、家に帰って報告する言葉たちの語尾に音符(♪)がついていました。
実習の最終日は両事業所合同のお楽しみ会を開いてくださり、ピアノが堪能な男子生徒と娘は歌で、音楽の贈り物を数曲お披露目させていただきました。施設職員の方のクラリネット演奏に合わせて歌ったり、利用者さんと一緒に男子生徒のピアノ生演奏で「USA」を歌って踊って、楽しい時間を過ごせたようです。
また、利用者さん、施設職員の方からお誘いがあり、2人とも10月6日に立川市障がい者スポーツ大会にも参加しました。
この実習の経験は、人それぞれの生活スピード、距離感など、娘自身の気づきもとても多かったようで、実習後に始まった2学期の生活にも大いにプラスに働きました。
障がいのある方を身近に感じて、これからも繋がっていってくれたらよいな、と思っています。受け入れてくださった実習先のみなさま、ありがとうございました。
11年 保護者
2019年10月19(日) 高等部生徒の実習報告会(一般公開)。どうぞご参加ください。
高等部の校外実習授業について