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カリキュラム

シュタイナー学校のカリキュラムは、「エポック授業(主要な学び)」と「専科の学び」で構成されています。

小中学部(1年生~8年生)の授業は、主にクラスの担任教師が担います。「専科の学び」は担任と専科教師がともに担います。
高等部(9年生~12年生)では、各科目の専門性が高まるため、科目ごとに専門の教師が担っています。

目次

エポック授業 ――主要な学び

主要な学びは、「エポック授業」と呼ばれています。国語・算数・理科・社会にあたる主要科目ですが、一般の公立学校とは、取り組み方が大きく異なります。

毎朝105分の授業

エポック授業は、毎日1時限目に設けられ、105分続けて行われます。

授業の始めに、まず歌やリズムで身体を動かすことにより、授業に向けて心身を整えていきます。
授業の中心の時間は、話を聞くことや、物語をすることを通じて内容を深めていきます。
「集中」と「リラックス」が交互にくるように授業が組み立てられているため、105分間を集中して学ぶことができます。

一つの内容を2~4週間続けて学ぶ

エポック授業では、例えば、3週間続けて学び、その間、国語や社会などの他の内容は行いません。一つの学びが終わったら、同じ内容はしばらくお休みとなります。
あえていったん寝かせます。まるでお味噌が発酵するように、学んだ内容はその子の力になっていきます。次の算数のエポック授業では、その力を取り出して、さらに学びを重ねていくことができます。

専科の学び

外国語(英語・ドイツ語)

シュタイナー教育では、1年生から2カ国の外国語を学びます。本校では「英語」と「ドイツ語」です。低学年の頃から、言葉を通して異文化に触れることで、個人の精神が成長することを目的としています。

各学年の取り組みについて

低学年のうちは「音」を中心として、先生を真似しながら詩を唱えたり、歌を歌ったり、寸劇をすることを通して、外国語の持つ韻やリズムに馴染んでいきます。
3年生から初めて「文字」を学び、文法や文章構成への理解を進めます。
高等部では、ほぼその外国語のみを使って授業を展開していきます。

音楽

シュタイナー教育において、音楽は欠かすことのできないものです。朝のエポック授業でも歌やリコーダーから始まることが多く、専科としての音楽の授業も週に2回行われます。
まずは旋律や音の響きを「聴くこと」で、子どもの集中力、耳を澄ます力を養います。また、「演奏すること」「歌うこと」で音の響きを自分で表現します。そして、他の人と「合奏すること」で社会性が育まれます。

各学年の取り組みを知る

1年生から3年生までは、身体を動かしながら音楽に親しみ、たて笛を練習します。
4年生からはそれぞれの個性に合わせてバイオリン、チェロ、ピアノ、フルート、クラリネットなどのレッスンが始まります。授業ではこれらの楽器をつかって合奏します。
高等部では本格的なオーケストラや合唱を行い、高度な音楽性を追求していきます。

体育

シュタイナー教育の体育では、競争や勝ち負けではなく、身体の多様な動きを養ったり、皆で協力しながら関わっていくことが重視されています。

各学年の取り組みについて

1・2年生では「遊びの体育」と呼ばれ、からだをたくさん使って遊ぶ喜びを体験します。
3・4年生からは、自分の身体を自分でコントロールし、空間を把握していく取り組みが行われます。
5年生では、歴史の授業と兼ね合わせて古代ギリシャのオリンピック競技を学びます。
6、7、8年生では、多様な身体の動きを追求します。
高等部では、陸上競技や球技が展開されます。そこでも競争よりフェアプレイを大切にし、からだの使い方や仲間とのチームワークを意識していきます。

オイリュトミー

オイリュトミーは「美しいリズム」という意味で、シュタイナー教育独自の芸術教科です。オイリュトミーは音楽や言葉を身体の動きで表現するものですが、いわゆるダンスとは異なります。「言葉のオイリュトミー」では子音や母音の響きを手の動きを使って表現し、「音楽のオイリュトミー」では流れるメロディや音を表現します。
オイリュトミーに取り組むことで、子どもの感受性が豊かになり、心に調和をもたらします。また、クラス全体でオイリュトミーを動くことによって、子どもの社会的能力が養われていきます。

各学年の取り組みについて

オイリュトミーは、幼児部から高等部まで一貫して行われる、とても大切な教科です。
低学年ではメルヘンの物語やシンプルなメロディを動きにします。
高学年になるにつれて、高度な技術を必要とする音楽作品や文学作品の表現に取り組んでいきます。
そして、12年生では集大成として卒業オイリュトミー公演を行います。

オイリュトミーの由来はギリシャの神殿舞踏で、それをルドルフ・シュタイナーが当時の時代に合わせてアレンジして考案したものです。特徴的な衣装であるオイリュトミードレスは、上下で分かれず、全身を包み込むようにできています。オイリュトミーは流れる動きが多いので、それを表現するのにも適しています。

手仕事

シュタイナーは「手仕事こそが知性です」と語っています。幼少期から手先をしっかり動かすことが、高等部になったときの論理的思考力につながります。また、身近なものを自分の手で作り出す経験が、クリエイティブな力を育みます。

各学年の取り組みについて

低学年では編み物やかぎ針編みに取り組み、手先の器用さだけでなく、集中力も養うことができます。
4年生から裁縫作業が始まり、クロスステッチから衣服製作まで発展していきます。

木工

木工も手仕事と同じように手を使いますが、対象物がより大きく、硬くなります。生徒たちは全身を使って目の前の素材に対峙します。木工を通して実用性のあるものをつくることで、生徒たちは現実世界としっかりむすびついていくことができます。何をつくるのかを考えて限られた期間内に完成させることで、計画性も養われます。

各学年の取り組みについて

木工の授業は5年生から始まります。木を削る、切る、かんなを使う、ヤスリをかける、磨く、などの大雑把な動きから繊細な彫刻的動きまで、生徒たちはさまざまな技術を学んでいきます。
高等部では、週2~3回午後の2時間を使って、籐編み、陶芸、木工、絵画、木彫、紡ぎ、染色、織物、製本など多岐にわたった取り組みが実践されていきます。

美術

美術の学びは低学年から始まり、12年生まで続いていきます。色彩を体験することによって、子どもの感情が広がり、心豊かになっていきます。学年によってふさわしいモチーフや技法に取り組むことで、自分と向き合い、個を確立していきます。

各学年の取り組みについて

低学年のうちは、にじみ絵といって、濡らした紙の上に色彩をふわっと広げるような絵を描きます。形や輪郭のない、色そのものの体験です。学年が上がっていくと、動物や植物など、少しずつ形を描くようになります。
6年生になって思春期が近くなると、幾何学模様やモノクロの世界を描いて、自分の内面を見つめます。色と色とを重ねて色彩に透明度を出したり、幾何学模様を描くことで、色彩とフォルムに対する感覚が養われていきます。

また、思春期特有の自分の感情を出したくないという年頃では、白と黒だけの方が子どもの内面で起こっていることを意識化するのに役立ちます。ここではコンテで光と影だけを描いたり、スケッチをしたり、風景を描いたりします。
10、11年生になると再び色彩が現れます。今度はさまざまな色彩を合わせて、風景を描いたり、自分の内面をイメージして描いたり、模写や写実をしていきます。
最終的には肖像画を描くところまで到達します。描く人物は自分でも偉人でもどちらでもかまいません。誰かを描くことを通して自分自身を問い、生徒の中にはっきりした個が表れてきます。

園芸

園芸では、1年を通じて作物を見ていきます。種を蒔き、雑草を取り、収穫し、調理し、食べるというプロセスを最初から最後まで体験します。大地や植物と向き合うことを通して、季節の流れ、植物の営み、食物の大切さを体験し、命の尊さを学びます。また、自然を観察することを通して、丁寧さや慎重さ、忍耐力と持続力を養います。

各学年の取り組みについて

低学年の頃から、畑や花壇を通して園芸に馴染んでいきます。3年生ではエポック授業で米作りを行います。
専科として本格的に園芸の授業を行うのは、6年生からです。
この時期は思春期に向かって自分の中に籠りがちになりますが、自然に触れることで自分と外の世界がつながります。思春期は自分を閉じて誰の話も聞きたくない年齢ですが、自然が先生となって様々なことを教えてくれることで、生徒は素直に学ぶことができます。
園芸は、自分がしたことの結果がはっきりと出てくる教科です。たとえ自分を閉じているときでも、愛情をかけて作物を育てれば、その成果が返ってきます。これを思春期に体験できれば、芽が出て花を咲かせるというプロセスが、やがて自分の人生にも起こると受け入れられるようになります。
同時に責任を学ぶこともできます。思春期は一番責任を意識したくない時期でもありますが、だからこそ意識しなくてはいけない年齢でもあるのです。

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