臨時休校中に思い出した入学の理由

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当たり前のことが当たり前でなくなり、その大切さに気づく時があります。入学して9年目の保護者が、新型コロナウイルス感染症に伴う臨時休校中に気づいたことを書きました。

「密」を避けるための休校と聞いた時、不安が正直よぎりました。
先生と子ども、子ども同士、先生や親との「密」な関わり(=本校の代名詞)がなくなってしまって大丈夫なの?と。
でも、大変な時こそ力を発揮するのも、東京賢治シュタイナー学校らしさなのでしょう。
人と関わること(関わらずにいられない!)、顔が見えるやりとりを大切にする先生方、大人たちがいました。

4月に6年生になった息子には、担任の先生が休日以外の毎日お電話を下さいました。
読んだ本、植えた苗のこと、作ったお料理、どんな遊びをしたのか、を話している様子を見て、「すぐそこに先生が立っていらっしゃるのでは?」というほど、先生の息子への「気」が伝わってきました。
電話の後の息子は、先生の愛情が注がれてか、ほわっと丸い雰囲気に包まれていました。

また、宿題には、クラスのお友だちと先生に手紙を出すというのもありました。
手紙を書くのは苦手な息子ですが、いざ書く時には、自然と相手の子が喜びそうな文章や絵を考えていました。
お友だちから手紙が届けば、その子や家族はどうしているかな、などと家族で食事時に話しました。
先生の素敵な計らいでした。

顔をあわせなくなったのは私たち親も同様。
毎年4月は、新しい仲間が入ってくるのを学校中でそわそわしているはずなのに…。
今年は中止となってしまった新入・編入の親の方々を囲む歓迎会の日に、全家庭に配布するお便りで各学年から歓迎メッセージを届けました。
そして、なんと翌週のお便りには、新1年生各家庭からお返事のメッセージが!
家族中で名前を一人一人確認し、1年生が登校する様子を思い浮かべたりしました(1年生は入学してしばらくの間、登校時には先生を先頭に教室まで一列になって歩いていくのです。なんとも可愛らしいその姿を全校で見守るのが恒例となっています)。

1年生の登校時の様子(2017年度)

ああ、そうだ、

「学校全体が大きな家族のよう」
「できないことがあっても、どうしたらよいかを考える大人たちがいる」

私がこの学校に子どもを入学させたいと思った理由を改めて思い出したのでした。

6年、9年 保護者

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