オープンスクール2024 6月1日 開催(要予約)

5年の学び

目次

テーマ

心身ともに調和が取れ、学びへの意識が高まる時期

学年の特徴

5年生の子どもたちは特別に調和を持った存在だと言えるでしょう。

5年生は、呼吸と脈拍の関係が大人と同じように整う年齢です。内に向かっても外に向かってもこの学年に到達した子どもの活動はとても調和が取れ、柔軟であり、生きる喜びに満ちあふれています。周囲の環境や人間関係にも慣れ、心身ともにバランスが取れてくるので、学びへの意欲が非常に高まっていきます。すべてのことに積極的に参加し、豊かな感動をもたらす心を育む学年です。だからこそ5年生はどんな教科にも興味を示し、教師がもたらす学びに共鳴するようになります。授業がまさに子どもと世界の絆になり、子どもに学びと作業の力を与え、生き生きとした成長の力を注ぎ込むでしょう!

学年ごとの教科

国語

5年生の子どもは、古代のインド、ペルシャ、バビロニア、エジプト、そしてギリシャ時代の歴史の学びを通して各国の古代の言葉を朗唱します。言語の力を強めることができ、発音に対する柔軟な感覚も養っていきます。さらには、古代文化の劇にも取り組んでいきます。文法では空間と時間の中で自分を表現することに新しく取り組んでいき、主語と目的語をはっきりと区別しながら、能動と受動に取り組みます。さらに文と文のつながりについても学び、描写を主とした作文を「書く」ことを実践していきます。

書道もこの学年から始まり、美しく「書く」練習が子どもの「言葉」に対する意識を高めていきます。


算数と幾何学

4年生までの学習の継続のほか、新たに小数を導入します。かけ算や割り算の計算結果において、端数の切り捨てや切り上げを小数を使って解かりやすく説明していき、分数や小数の四則計算を学んでいきます。また、幾何学では4年生までの「フォルメン線描」の授業の発展としてコンパスや定規を使わず、フリーハンドで円や二等辺三角形や正三角形といった形を描き、幾何学の基本要素を理解していきます。大切なことは、「空間感覚を育む」ことです。そうすれば、子どもの、感受性と表象力の柔軟さが育っていくでしょう。 このように幾何学の授業は、描くという行動を通して空間とフォルムを理解する段階から、思考や観察によって対象を理解していく取り組みへと移行していきます。

水彩

5年生の水彩はより具体的なものを色から描いていきます。植物学においては、光からくる黄色と、大地からくる青が出会い、混ざり合う地面のところで緑色は生まれそこから植物を描いていきます。そのように豊かな色彩の練習をしていきます。

動物学(理科)

4年生では人間の身体について取り組み、動物学を学んでいきました。5年生ではさらに人間の思考、感情、意志に目を向け、動物界の三つの異なった種類である鳥類の鷲、肉食類の獅子、草食動物の雄牛を学びます。そうすることで子どもの中に人間についての新たな視点が開かれ、動物をより一層深く理解できるようになります。

植物学(理科)

5年生では植物についての学習が始まります。どういう環境で、どういう植物が育つのかということを、知っていきます。さらに人間の心と身体の成長と関連させてキノコ、海綿、藻類、苔、シダ、裸子植物、単子葉植物、双子葉植物を学びます。人間の成長と比較していくことで、植物が子どもにより身近になってきます。

歴史(社会)

5年生になると、歴史の授業が始まります。インド、ペルシャ、メソポタミア、エジプト、ギリシャの古代の文化の中で人々が今とはまったく違った生き方をし、考え方をしていたということを授業を通して体験します。クリシュナの人生のお話には、古代インドの時代の息吹が深く伝わってきます。自然の中での遊牧生活から人類最初の定住が始まったペルシャ文化については、今日とは全く違う生活をしていたことが生徒を驚かせます。チグリス、ユーフラテスの二つの大河に沿って建てられた高い文化を持ったメソポタミア文明と、ナイル川に沿って建てられた高度な文化を持ったエジプト文明についても学びます。その中で楔形文字やヒエログリフにも取り組んでいきます。エポックの終わりに、アレキサンダーの東方遠征にも取り組みます。ギリシャの文化が遠いアジアにもたらされる遠征です。

日本史では縄文時代、弥生時代、古墳時代を学びます。古代の人がどのような生活をしていたのか、先生の生き生きとしたお話の中でイメージをふくらまし、縄文土器を作ったりしながら古代の生活を追体験していきます。また、巨大な古墳などのお話は大きなテーマとして取り上げ、エジプトのピラミッドと比較しながら、授業が展開していきます。

地理(社会)

5年生の地理の授業は、日本全体の地形の特徴をつかみ風土や暮らしを学んでいきます。例えば北海道と沖縄の違いを取り上げることで、南北にわたる長い日本列島のイメージを持つことができます。このような対極の例を通して、太陽との関係にある風土、動物、植物と人間との関係を学びます。そしてそこからどのように工業や商業が発展していくかを明確にしていきます。

英語(外国語)

4年生まではアルファベットの習得や会話を中心に英語を学んできましたが、5年生になると抽象的な思考ができるようになるため、初めて文法が導入されます。基本文法を通しての文章の構造がしっかり頭に入り、明確な思考を形成する大きな土台ができます。外国語の授業の中で、文法の習得は思考や感情に働くことで深い人間形成の大きな力になるのです。

音楽

新しく世界と出会い自分の中に調和が生まれた子どもは、いわばハーモニーを探します。この時期、たくさんの歌を意識して美しく歌うことで、後の音楽能力の大切な基盤ができていきます。子どもは練習しながら長三音と短三音の体験を育み、楽典やハ長調、ト長調、ヘ長調などの基本的な調について学ぶことを始めます。楽器の演奏も続けていきます。

オイリュトミー

4年生に引き続き、全員が正面を向き、全体の中の自分の位置や関係をさまざまな変容する過程で動き、体験します。また、音階や音も学び、輪唱や二声の曲を動き、表します。言葉のオイリュトミーでは子音と母音、文法の表現を学び、短歌や短い詩を動き、表します。また、クラス全体で円を描き、木のボール(クーゲル)を使って、右の人に渡し、左の人からもらうことを音楽に合わせながら練習していきます。クラス全体の意識がまとまる社会的練習です。

体育

ギリシャ時代と古代のオリンピックの競技等につなげて体育を展開させていきます。やり投げ、円盤投げ、幅跳びを練習したり、軽やかに飛び跳ねるのと重く飛ぶのを交互にリズム的に行い、バランス感覚を養う運動を行います。また、ドッジボールなどの競技が登場します。フェアプレイを前提としたグループ対抗ゲームも導入し、競技のルールを自然に受け止める感覚を養っていきます。

手仕事

再び「編み物」が取り上げられ、四本の棒を使った「輪編み」が登場し、身体の末端を被うための靴下や手袋を制作していきます。靴下も手袋も左右同じ形のものをつくることでバランス感覚が養われ、左右まったく同じ作業をくり返し最後までやり終える忍耐力も身につけていくことができます。

木工

5年生から木工が始まります。初めは、柔らかい松の木の皮で船などのシンプルなフォルムに取り組み、その後、生活の中で実際に使う「お箸」などを製作します。その中で小刀、やすり、のこぎりなどの道具の使い方も学んでいきます。

練習

エポック授業の内容を深め、定着させるためのもので、主に国語や算数の学習の中で漢字や計算の練習など、反復練習の必要なものを集中的に行います。徐々に自己学習をできる力をつけるために、下校後の子どもの時間の使い方もサポートしていきます。宿題の取り組みもさらに意識して行い、よい学びの習慣から課題をやり終えるという、意志の力を育みます。

学年ごとのイベント

学校での宿泊や自然の中でのキャンプを行います。調理で力を合わせ様々なことを工夫したり、レクレーションで楽しんだり、就寝時間を共にしたりすることで、子ども同士の間に深い結びつきが生まれます。さらに野外では、様々なハプニングに対応していく、順応性も養われていきます。季節の行事も低学年から育んでいる内容が継続し、積極的に祝祭で発表する学年へと成長していきます。

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